前回ブログでご紹介しましたとおり、建設分野の特定技能対象職種は、2019年現在①型枠施工②左官③コンクリート圧送④建設機械施工⑤屋根ふき⑥鉄筋施工⑦内装仕上げ⑧表装⑨トンネル推進工⑩土工⑪電気通信⑫鉄筋継手の12職種・11作業となっております(⑦内装仕上げと⑧表装は一つの技能試験で実施)。
これらのいずれの職種につきましても、特定技能外国人を雇用するためには、受け入れ事業者が
①一般社団法人建設技能人材機構(以下、JAC)の正会員・賛助会員となる
もしくは
②その正会員である建設業者団体に所属する
ことが求められます。
以上の2つの方法があるのですが、実は加入する団体によって、加入のための費用が大きく異なります。
団体の加入にかかる費用は、主に加入金と年会費ですが、出資金を募っている団体も多く、また支部ごとに支部会費を徴収している団体や青年部会費等、金額としては大きなものではありませんが細かい費目を設定している団体もあります。加入金・年会費については、団体によってかなりのバラつきがあります。低額な場合では入会金3万円、月会費3千円などと、JACの賛助会員となった場合と比べて少ない負担で加入することができる団体がある一方で、高額な場合では加入金120万円、年会費90万円を設定している団体も中にはあり、加入要件やかかる費用については大きな開きがあるのが実情です。
そこで、以下ではそれぞれの団体に加入する場合の加入条件・費用等をについて一部ご紹介させていただきます。
①の一般社団法人建設技能人材機構の正会員・賛助会員となる場合、加入等に要する費用は右表1となります。
※受け入れ負担金については②の建設業者団体に加入した場合での負担する必要があります。
JAC側での一律の料金設定であるため、この金額が基準となりますが、②の団体への加入のほうが費用を抑えられる場合があります。
②の建設業者団体へのご加入を検討される場合は、どの団体に加入すべきか、右表2に従うことになります。
JACが発信している情報からは、団体加入の手続きについての詳細な説明はなく、ホームページ上に加入要件や加入にかかる費用について公表している団体も非常に少ないため、困惑されている事業者様も多いのではないでしょうか。
そこで、当事務所が独自に調査した内容を公表できる範囲でお伝えしたいと思います。
(個別にご相談いただければ、詳しく回答することや問い合わせ先をご案内することが可能です)
まずはホームページから加入に関する情報が得られる団体をご紹介いたします。
◎(一社)日本機械土工協会
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部分があるのではないかと思います。
こちらに加入される場合、建設業法第3条の許可を受け機械土工・土工(掘削作業・埋戻し作業・盛土
作業・コンクリートの打込み作業等)の工事に従事しており、要件を備えれば「特別会員」としての加入
が可能で、加入金2万円、月会費5000円となっています。
◎ (公社)日本推進技術協会
http://www.suisinkyo.or.jp/niyukaiannai.html |
こちらへの加入には、建設業を営み、推進工事技士資格を有する職員1名以上が在籍し、かつ入会を申
し込もうとする以前3ヵ年度において、推進工事2件以上の施工実績を有することが要件となっており、
正会員(大臣許可)入会金30万円、年会費48万円
正会員(知事許可)入会金30万円、年会費24万円
となっています。
上記以外の団体については、そのほとんどに支部が設置されており、上記の表で紹介している団体はその本部に当たります。実際の加入手続きを行う際には、本部ではなく各地域に置かれた支部に所属する必要がありますが、その支部ごとに取り決めを行っている団体が多く、本部で統一した手続きではない場合もあります(とはいえ、大筋は本部に合わせて取り決めを行っています)。そのため、特定技能外国人の受け入れのため団体加入を希望される事業者様は、その地域に置かれている支部に問い合わせを行い、その取り決めに従って手続きを進めることとなります。
(一社)日本基礎建設協会、(公社)全国鉄筋工事業協会に関しては、団体への加入要件として現組合員の推薦を要するとしています。他の団体についても、現組合員の推薦や同意書の提出を要件としていたり、必須とまではしていなくとも、推薦や紹介があるとスムーズに手続きを進めやすいとする団体も多くあります。
また、今回の特定技能制度の開始に伴い、特定技能外国人の受け入れのために団体加入を希望する事業者様に対して、正会員としてではなく、「特別会員」や「特定会員」といった別枠での会員制度を設けている団体もあるのでそれぞれの支部・団体に確認されてください。